林檎の品種林檎のお話


つがる
青森県りんご試験場で、昭和五年ゴールデンデリシャス×不明によって育成されました。昭和四十五年「青り2号」と仮称命名され、昭和五十年正式に「つがる」として命名登録されました。果実の大きさは300g前後で、円〜長円形、緑黄色の赤の縞がはいり、淡紅に色づきます。肉質は緻密でジュースが多く、微酸で味良好です。
 
レッドゴールド
米国ワシントン州の原産。ゴールデンデリシャスにリチャードデリシャスを交配して育成された品種で、昭和二十五年青森県りんご試験場が導入しました。果実の大きさは250g前後で正円形、暗紅色であるが光沢はありません。肉質は粗雑で微酸、甘味濃厚で蜜が入り、食味は良好です。欠点としては貯蔵力が弱く、ボケ易い事ですが、青森、北海道の寒地向き品種で、観光地用品種として評判が高いです
 
ジョナゴールド
米国ニューヨーク州立農事試験場で1943年(昭和十八年)ゴールデンデリシャスに紅玉を交配し、原木は1946年(昭和二十一年)に植栽されました。日本には昭和四十五年秋田県果樹試験場によって導入され、翌年には農林水産省果樹試験場によっても導入されました。果実の大きさは300g前後で円〜長円形、黄色地の上が80%縞状に着色します。甘酸で多汁、風味は紅玉に似て、生食、加工共すぐれた三倍体品種です。
 
北 斗
青森県りんご試験場が昭和四十五年、ふじに陸奥を交配して育成し昭和五十五年に選抜、昭和五十八年登録品種となりました。果実の大きさは350g前後で円形、黄色地に紅色の縞が入り、紫紅色となります。果実はやや硬く緻密で、果汁は極めて多く、甘酸適和で食味は良好です。
 
陸 奥
青森県りんご試験場が昭和五年ゴールデンデリシャスに印度を交配して育成しました。昭和二十三年園芸学会に発表、二十四年農産種苗法による第一号として名称登録されました。果実はゴールデンデリシャスやや大きく、600gにも達します。円〜長円形、果色は無袋で緑黄色、有袋で紅色に着色します。肉質はゴールデンより粗雑ですが、甘味、芳香があり、酸味はやや強い。
 
王 林
福島県伊達郡桑折町大字上郡の故大概只之助氏がゴールデンデリシャスに印度を交配して育成したもので、昭和二十七年に命名したとされています。果実の大きさは250g〜300gで長円錐形、黄緑色で果面に細いヒビが入って外観はやや不良です。しかし果肉はやや硬く、緻密、多汁で微酸、甘味及び芳香が強く、独特の風味をもっており、消費者の人気は高いです。
 
ふ じ
農林水産省果樹試験場盛岡支場が青森県藤崎町にあった時、昭和十四年国光にデリシャスを交配して、昭和三十三年東北七号として園芸学会に発表しました。昭和三十七年「ふじ」と命名され、りんご農林一号として登録されました。果実の大きさは350g前後で円〜長円形、縞状に着色します。肉質は硬く粗雑で、果汁が多く、甘味強く、微酸です。国光に代わって、日本の大衆品種として評判が高い。
 
  明治初年開拓史によって米国から導入されました。青森県では弘前藩士族の大導寺繁禎氏が屋敷に栽培し、結実したのが初めてであったことから「大導寺中手」と呼ばれ、その後、略して「大中」と呼ばれるようになり、明治三十三年五月には、「祝」と改名されました。果実の大きさは180g前後で円〜長円形緑黄色に紅褐の絣をあらわし、酸味の少ない味です。
 
北の幸
  青森県りんご試験場が昭和三十四年つがるに祝を交配して育成した中から昭和四十六年に選抜し昭和五十六年に登録品種となりました。果実は、200g前後で、長円形純紫紅色に縞が入り果実硬く、肉質は緻密、果汁は両親より若干少ないですが、甘酸適和で食味は良好。
 
スターキングデリシャス
  1921年(大正十年)アメリカのニュージャージ州、モンロービル・レービス・マード市の果樹園でデリシャスの枝変わりとして発見され1924年(大正十三年)に「スターキング・デリシャス」と命名されました。日本には昭和四年、次の三つの経路で導入されました。
(一)青森県りんご試験場が取り寄せた。
(二)東京銀座の千疋屋が取り寄せた。
(三)朝鮮にいた中谷長次郎氏が取り寄せた。
果実の大きさは280g前後で長円錐形〜円錐形で、暗紅の縞条を描き全面濃紅色となります。微酸、甘みにとみ芳香が高い林檎です。
 
千 秋
  秋田県果樹試験場が昭和四十一年東光とふじを交配育成した中から選抜し、昭和五十五年に登録品種となりました。果実は250〜300gで円形又は長円形で褐紅色の縞が入り果肉硬く肉質緻密、果汁は多く甘酸適和キリッとした酸味があって食味は良好な林檎です。
 
紅 玉
  米国ニューヨーク州の原産。日本には明治初年、開拓使によって導入されました。米国では1940〜50年代には第四位でしたが、現在は第五位、生産量は年々減少の傾向にあります。青森県では国光についで栽培面積が多かったが、昭和三十年代から品種更新の対象になり、少なくなったため消費者からおしまれています。果実の大きさは240g前後で円形又はわずかに角張るものもあります。満面鮮紅色で覆われていますが、果面にサビを生じ易い。肉質緻密で甘酸適和、品質最上で生食、加工用品種としてすぐれています。
 
世界一
  青森県りんご試験場が、昭和五年、ゴールデンデリシャスにデリシャスを交配して育成し昭和四十五年園芸学会に発表しました。”世界一”と呼んでいるのは、青森県弘前市折笠の故対馬竹五郎翁が、果実が大きく、しかも味がよいので”世界一のりんご”だと宣伝したことによります。果実の大きさは500g前後で円錐形、紅の縦縞がはいり親のデリシャスに似ています。微酸で甘味が多く、食味は良好な林檎です。
 
ゴールデンデリシャス
  アメリカ、ウエストヴァージニア州で発見された偶然実生で、1916年(大正五年)にスターク商会が取り扱って一般に広めました。日本には大正十二年、青森県農事試験場園芸部(現りんご試験場)が取り寄せたのが初めてで、昭和三年頃から市場に出回るようになりました。果実は300g前後で長卵又は長円形で全面黄金色、果肉は緻密で奨液に富み、酸味少なく甘味が強い。陸奥に比べて日持ちの弱い欠点がある林檎です。
 
国 光
  米国ヴァージニア州の原産。日本には明治初年、開拓使によって導入されました。青森県では雪の降る頃まで成らせるのがしばしばで、このため「雪の下」とも呼ばれていました。明治三十三年大正天皇が九条公爵の第四女節子姫と御成婚の祝典を挙げられた慶事にあやかって「国光」と改められました。果実の大きさは200g前後で円〜純円錐形、黄色地に紅色の縞及び絣を現します。酸味少なく甘味多く、しかも貯蔵力が強いので最晩生種として広く栽培されましたが、昭和四十年代に入って更新され、少なくなりました。